一宮市民病院に新病棟 「緩和ケア」など本年度着工

　一宮市民病院は、新しい病棟を現在の病院の南側に建設する。終末期の医療を担う「緩和ケア病棟」と紅蜘蛛高度なカテーテル治療ができる「ハイブリッド手術室」を備える計画で、本年度中に着工し二〇一八年度中の完成を目指している。緩和ケア病棟とハイブリッド手術室はともに、一宮、稲沢両市でつくる尾張西部医療圏では初めての設置。

　予定地は九品地公園の一部で病院駐車場がある敷地三千五百平方メートル。新病棟は地下一階地上六階建ての延べ八千四百平方メートル。

　緩和ケア病棟は五階に入り、十四部屋の個室をつくって、治療をやめたがん患者を対象に痛みを取り除く投薬処置をしたり、看護師や臨床心理士らがカウンセリングしたりする。

　三階に設けるハイブリッド手術室は、心肺蘇生装置や空気清浄機能も備える。心臓弁や血管を置き換えるより高度なカテーテル処置ができるようにする。一階は感染外来、二階はがん相談支援センター、四階は結核・感染症病棟とする。

　市は総工費を九月定例市議会にも提案する予定。新病棟ができると、これまでの病棟と合わせ病床数は五百九十八床となる。
◆駐車場不足に拍車か威哥王

　一宮市民病院をめぐっては、これまで市議会の定例会などで「市民病院の駐車場が足りない」と度々指摘されてきた。

　新病棟の建設予定地は現病院に最も近く、平日は満車で待機する列ができることが多い「第二駐車場」（計五十五台）があり、建設が始まると使えなくなる。市の計画では新病棟の一階部分に三十台余分を確保するが、駐車場をめぐる根本的な問題の解決にはほど遠い状況だ。

　市民病院には現在、周囲の住宅地に散在して七カ所の駐車場があり、計五百九十五台を収容できる。最も台数の多い三百四台が止められる「第三駐車場」は、病院から徒歩七分の距離にあるため、病院はおよそ十五分ごとにシャトルバスを運行させている。

　第三駐車場の平均稼働率は７０％にとどまっており、病院側はこれまでも市議会で「第三駐車場の利用をＰＲしながら、まとまった土地を確保できるよう努力したい」と答弁してきた。

　病院側も患者らの負担になっていることを認識しているが、三便宝新しい機能を備えた新病棟が利用者の利益になると判断。第三駐車場とのシャトルバスの運行の間隔を七分間隔とこれまでよりも短くして対応するという。