起業家育成へ空きビル活用 前橋市が１２月から

　前橋市は、同市千代田町の中心市街地の空きビルを活用し、起業家の育成施設を開設する。物販・飲食向けの店舗スペースや、個室のオフィスを貸し出すほか、経営ノウハウなど事業をサポートする指導員を配置し、起業を後押しする。九月から施設の運営事業者を募集し、十二月下旬の本格稼働を目指す。
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　四階建ての空きビル（延べ床面積約五百平方メートル）を全面改修する。総事業費は四千二百六十万円。

　一階は、物販や飲食業向けに厨房（ちゅうぼう）を備えた貸店舗スペースを設ける。一日～数カ月単位の短期貸しがメーンで、実験的な創業など、これまで起業に踏み出せなかった人たちを後押しする。

　二、三階は、起業家に貸し出す個室を多数用意。部屋の間仕切りが動かせるタイプもあり、社員数など事業規模に応じて対応できる。四階は３Ｄプリンターや工作器具を置いた「ものづくりラボ」を設置するほか、セミナーや交流イベントが開けるスペースもあり、起業家の交流を促す。
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　起業したい人の個室の入居募集は十一月に始める。山本龍市長は「起業を増やすとともに、指導員の助言で廃業を減らせれば良い。新たなチャレンジが生まれ、前橋をにぎやかにしたい」と抱負を述べた。

ＮＹ株、１０カ月ぶり１万７０００ドル割れ 下落幅は今年最大

二十日のニューヨーク株式市場のダウ工業株三十種平均は中国経済減速への警戒感から大幅に続落し、前日終値比三五八・〇四ドル安の一万六九九〇・六九ドルで取引を終えた。一万七〇〇〇ドルの大台を終値で割り込むのは、昨年十月二十九日以来、約十カ月ぶり。下落幅も今年最大となった。
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　ハイテク株主体のナスダック総合指数は一四一・五六ポイント安の四八七七・四九。幅広い銘柄で構成するＳＰ五百種株価指数は、四三・八八ポイント安の二〇三五・七三だった。

　二十日はアジア、欧州株が下落し、ダウもこの流れを引き継いで急落。中国経済の先行き不透明感に加え、人民元切り下げ後、トルコやブラジルなど新興国通貨が売られていることもマイナス材料となった。新興国の通貨安はドル高につながり、米企業の収益悪化を招くことになる。

　ダウの構成銘柄は全て下落。ＳＰ五百種を構成する全十業種がマイナスとなった。市場関係者は「米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）の利上げをめぐって神経質な時期でもあり、当面は売り圧力が強い」と指摘する。

「甲子園に悔いなし」 本紙支社で岐阜城北主将ら報告

　第九十七回全国高校野球選手権大会に出場した岐阜城北の宮川敬太主将（三年）と鹿野浩史監督らが十一日、岐阜市の中日新聞岐阜支社をあいさつに訪れ、宮川主将は「最後の夏に、小さいころからの夢の舞台で仲間とプレーできた。負けたけど、あまり悔いはない」と振り返った。
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　大会初日に、中京大中京（愛知）に１－４で敗れた岐阜城北。鹿野監督は、岐阜から大勢の人たちが応援に駆け付けたことを喜び、面談した竹花孝則支社長に「選手は幸せだった」と語った。

　一行は続いて、岐阜市役所を訪問。浅井文彦副市長に応援のお礼を述べた。宮川主将は「ベンチ入りした一、二年生が五人いる。彼らが新チームを引っ張って来夏も出場し、ぜひ勝ってほしい」と期待を込めた。

伊吹、３年ぶり３度目Ｖ

◇全国高校総体　男子ホッケー

　全国高校総体（インターハイ＝読売新聞社共催）は５日、和歌山、滋賀、京都、大阪、兵庫の５府県の各会場を舞台に、レスリングやハンドボールなどの競技で熱戦が繰り広げられた。京都府京丹後市では、カヌーが始まった。
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　県勢は、ホッケー男子で、伊吹がシュートアウト（ＳＯ）戦にもつれこむ大接戦を制し、３年ぶり３度目の優勝を果たした。レスリング８４キロ級で栗東の藤井達哉選手が３位になった。

　◇悔しさバネに精神力鍛える

　ホッケー男子決勝で、伊吹は１―１の同点で迎えたサッカーのＰＫ戦にあたるＳＯ戦を制し、３年ぶり３度目の優勝をつかんだ。

　チームはもともと高い技術力を持つが、３月の選抜大会は初戦敗退。序盤に先制されて焦り、失点を重ねた。３年の杉山惇士主将は「プレッシャーに弱く、パニックになった」と振り返る。

　課題は精神力。１人でも身勝手なプレーをすると、全員で５０メートルを１００本ダッシュするなど、徹底してチームプレーを意識付けた。劣勢を想定した練習も繰り返し、冷静に戦える心を鍛えた。

　決勝では先制したものの追いつかれた。ＳＯ戦では先に失敗し追い込まれたが、「自分たちを信じて落ち着いてやろう」と声を掛け合い、勝利をもぎとった。川瀬成宏監督は「選抜の敗退から選手の気持ちが変わった。本番に強くなった」と成長に目を細めた。

　杉山主将は「明るく冷静に戦えるチームになれた。あの負けがなかったら、今日はなかった」とチームメートと喜びを爆発させた。

＜高校野球京都大会＞鳥羽 つないでＶ

第９７回全国高校野球選手権京都大会は２７日、決勝戦が行われ、鳥羽が、今春の選抜出場校の立命館宇治を６―４で破り、１５年ぶりの優勝を果たした。鳥羽は、高校野球の原点となった１００年前の「第１回全国中等学校優勝野球大会」で優勝した京都二中の流れをくみ、優勝は６度目。節目の年に甲子園出場を決め、鳥羽スタンドは大歓声に沸き、八回に２点差まで追い上げた立命館宇治ナインにも惜しみない拍手が送られた。
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　◇秘策二死からバント

　五回二死二塁の追加点がほしい場面で、８番打者・宮西が打席に立った。サインはなかったが、「１球で決める」秘策が頭にあった。意表を突くセーフティーバントだ。

　宮西は前の打席で送りバントを決め、相手の三塁手があまり前進してこないことを見抜いていた。投手の手から初球が離れた瞬間、ヒッティングの構えをバントに切り替え、外角の変化球にバットを押し当てた。白球は三塁線に転がり、不意を突かれた三塁手は前進が遅れた。「狙い通り」の軌道を見ながら、一塁にヘッドスライディング。バントヒットとなり、一、三塁の好機を演出した。

　ベンチから「ナイスバント」と驚きの歓声が上がり、一塁ランナーコーチの宮川は「やってくれたな」と苦笑いした。続く松尾の適時打で、決勝点となる５点目を挙げた。

　準々決勝で宮西は、コールド勝ちを決める一打を放っており、打撃は好調。「打ちたい気持ちはゼロではなかった」という。しかし、山田監督の「攻撃時は常に０―０だと思え」という言葉が浮かび、献身的なプレーに徹しようと思い直した。「あの場面は自分でよく考えて決めてくれた」と山田監督は評価した。

　前身の京都二中が第１回全国大会を制して１００年の節目。それでも、鳥羽ナインに気負いはない。主将の梅谷は「僕たちは節目にプレーさせてもらっているだけ」と冷静だ。全員で１点ずつ積み上げるのが鳥羽の身上。それを体現した大舞台の一戦だった。（仁木翔大）

　■大会通じて成長　山田知也監督「選手たちの力を信じてここまで戦ってきたが、大会を通じて大きく成長してくれた。（全国の）第１回大会優勝校の流れをくむことを光栄に思いながら戦ってきた。甲子園でも身の丈にあった野球をしたい」
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　■満足せず勝利を　梅谷成悟主将「ここまで苦しかったが、優勝できて良かった。甲子園に出ることに満足せず、勝利を目指してやっていきたい」